Advanced CoMFAモジュールは、SYBYLのQSARモジュールで提供されている機能、特にCoMFA解析を中心とする3D-QSARの機能を拡張するものです。高度な分子設計をより効率良く進めることを目的に提供されています。
Advanced CoMFAで提供される機能は、次の3つです。
標準のSYBYL/QSARモジュールでは、記述子(CoMFA Field)として静電・立体相互作用が計算できます。しかし、データセットによっては静電・立体相互作用以外の項目について考慮する必要があるものもあります。そのような場合、Advanced QSARモジュールの拡張Field計算機能を利用することができます。このモジュールでは、H-bond、Indicator、Parabolicの3種類のフィールド計算機能が提供されています。
・H-Bond
・Indicator
・Parabolic
図 拡張フィールドクラスの中のH-BondsフィールドとIndicatorフィールドを計算し、表示したところ。
CoMFAモデリングでは、計算されたQSARモデルを用いた分子構造の改良や新規分子の活性予測ができます。Optimizing QSARは、CoMFAモデリング後の分子設計を自動化するモジュールで、ユーザが指定した部位の置換基を次々に変更して化合物構造を生成し、それらに対する活性値予測を自動的に実行します。
図 Optimizing QSAR後に結果一覧を見たところ.指定した置換位置に指定した置換基を配置した新しいLigand構造を構築し、活性予測を行った結果をMolecular Spreadsheet上で確認できる。
CoMFAモデリングでは、分子周辺のFieldを直接取り扱うため、非常に多くの記述子を一度に取り扱わなくてはいけません。このため、良好なモデルができても係数等高線図がはっきりしないものになることがあります。このような場合、一度モデルを算出したのち、その係数に基づいてデータ中の各グリッド点のスケーリングを再度行い、重要部位を明確化する、という方法が考えられます。Advanced CoMFAで提供されるRegion Focusing機能は、一旦計算された係数値をもとに再度Field値の再スケーリングを行います。再スケーリングを行う場合の基準としては、下に示すような指標を用いることが出来ます。
StDev*Coefficients
各格子点に対する係数値の大きさとそれぞれの格子点に対応するエネルギーの標準偏差を掛け合わせてスケーリングの基準として使用します。概略的には、ViewCoMFAで表示する等高線図の様子に合わせてスケーリングを行うものと考えることができます。Modeling Power
各格子点ごとのモデル式に対する寄与を示す指標Modeling Powerを用いて再スケーリングを行います。Sigma Field
各格子点ごとの変動の大きさに基づいて再スケーリングを行います。これは、Autoscaleスケーリングオプションに良く似た計算を行います。このほか、Extended Optionsを用いて前記以外の係数などを指定することができます。
図 PLS計算を行った後、Region Focusingを行った場合の分子周辺のFieldの様子.重要部位周辺のFieldが抽出されていることがわかる。
このRegion Focusingでの再スケーリングを行うことで、重要な領域のみに焦点を当てたCoMFAモデルを構築することが可能になり、特徴を見出すことが容易になります。また、寄与の小さな部分を削ることでモデルが安定し、特性が向上します。

