EA-Inventorは、まったく新しい設計思想に基づいて作られた「新世代のde novo Designエンジン」ソフトウェアです。これまでのde novo Designソフトウェアは、『蛋白質の立体構造や擬似レセプターの特徴に基づいて、相補的な原子あるいはフラグメントを選択して配置する』というアルゴリズムに基づいて、あるいはそれを拡張する形で開発されてきました。しかし、発生した構造が合成困難である、化学的に無理がある、組み込まれた評価方法に依存しており他の評価方法が使えない、といった問題がありました。
EA-Inventorは、化学的に無理のない構造を作成し、評価方法を自分で作成・選択でき、ランダムな構造発生から骨格を固定した分子構造のOptimizeまで対応できる、新世代のde novo Designのソフトウェアです。
EA-Inventorには、分子構造構築用エンジンとして、評価値を向上させるように分子構造を組み立て、成長させるためのEvolutionary Algorithmが用いられています。この方法を用いることで、従来手法である乱数を用いた構造発生の「処理過程で不適切な構造が多数発生するために効率が悪い」という問題点が解決でき、『短時間で効率的に、目的とする評価方法・評価関数で判定した場合に高い評価が示されるような、新規の分子構造を提案させる』ことが可能となりました。

EA-Inventorは『分子構築機能』と『評価関数』を完全に分離しています。このため、研究者それぞれが持っている「独自の」新規分子評価方法(ソフトウェアなど)をEA-Inventorの計算に組み込むことができます。単一の評価関数を用いて評価値=スコアを計算することも、その途中でフィルタ操作などを組み込むことも自由に行うことができます。
EA-Inventorと組み合わせることのできる評価関数の例:
※EA-Inventorをご利用いただく場合、上記図中の『任意の評価関数』に相当する「EA-Inventorから呼び出す、分子の良否を判定するプログラム」を予め準備する必要があります。
多様性の高い初期構造から計算を開始すると、従来のde novo Designソフトウェアと同様に、新しい骨格構造を持つ新規活性化合物候補を提示します。さらに、実行時オプションを適宜変更することで特定のScaffold構造を保ったままで置換基を加えて修飾する といった利用方法も可能です。 EA-Inventorの分子構造構築エンジンには、単純な置換基の追加・挿入以外に、既存分子の非結合の原子を結合させて環構造をつくる、特定の原子のAtom Typeなどを置き換える、キラリティを入れ替える(R⇔S)などの処理が用意されています。これにより、置換基の組み合わせを最適化するだけでなく、Lead Hopping/Scaffold Hoppingと呼ばれる『新規骨格構造を持つ活性候補化合物を見出す』などの目的にも利用することが可能です。
EA-Inventor実行画面例(評価関数として、SYBYL中の重ね合わせ機能を連携) FlexSのスコアを評価関数として利用、既知活性化合物の類似構造をデータベースから選択して初期構造として設定。
EA-Inventor実行結果表示例(評価関数として、ドッキング計算を連携利用した場合) Docking計算の結果をSYBYL上で表示して検討している場合のイメージ。

