タンパク質・核酸は、生体内で特定の機能を発揮し、創薬の標的となる生体内高分子です。近年では、X線結晶構造解析やNMR解析といった実験により、生体高分子単独や生体高分子に生理活性を示すリガンド分子が結合した複合体の立体構造が多く解明されています。公共データベースPDBを利用して、標的となる生体高分子の立体構造と実験/文献データを組み合わせた活性・機能予測による創薬研究が多く行なわれています。また、研究対象としている生体高分子の立体構造が未知の場合でも、「ホモロジーモデリング手法」を用いて立体構造を予測する事ができます。Protain Modelingパッケージは、生体高分子構造を基に創薬・機能研究を行なうためのソフトウエアです。
Protein Modelingパッケージは、研究対象としている生体高分子の立体構造を基に(1) 分子全体の特徴(二次構造/形状/特性)を抽出する。(2) リガンド分子が結合する活性部位の情報を抽出する。(3) Alanine Scanなどの実験/文献情報とリンクさせた解析を実施する。(4) 生体高分子の動的評価を実施する。(5) X線、NMRなどの構造解析結果のリファインメントを行う。また、研究対象としている生体高分子の立体構造が未知であるが、構造を予測して評価・解析したい。といった研究者に最適なパッケージになっています。さらに、Surflex-Dock(Dockingパッケージ)を併用することにより、複数の低分子化合物を高速にドッキングさせる“バーチャルスクリーニング”を行なうことができます。
生体高分子の二次構造を強調したリボン表示や分子全体をより見やすくするための表示形式(CPK/Ball and Stick)を用意しています。また、独自のスプレッドシート機能(MSS)は1行1分子/1残基/1原子形式での解析をサポートしている他、Ramachandran Plotなどのグラフ作成機能でタンパク質分子の立体化学的評価、Hydropathy Plot機能やタンパク質分子の構造編集機能(Replace/Mutate/Insertion/Deletion)では、Alanine Scanなどの実験結果と比較する際に威力を発揮します。さらに、構造を精密化するためのエネルギー極小化計算機能や分子の動的評価を行なう分子動力学手法、Sequence Viewerと連携した解析やActive Site予測機能も用意されています。
生体高分子構造やリガンド分子が結合した複合体構造を読み込んで、分子全体/活性部位の大きさ・形状・アミノ酸残基の特性を検討・評価する事ができます。
まず、生体高分子の分子表面を簡単に描画する事ができます。さらに、アミノ酸特性を上記表面に割り振って形状と特性を評価することができます。上図はタンパク質分子の溶媒接触可能表面に疎水的特性を割り当てた例です。他にも静電的特性なども割り当てる事ができ、分子表面の特徴を定性的に議論する際に有効です。
リガンド分子が結合する活性部位に対しては、分子表面の表示・特性割り当てができます。これは、複合体形成時の相互作用を評価・検討する際に有効です。
また、タンパク質と核酸で複合体を形成する系では、分子の境界をSeparated Surfaceで表示し、分子間距離で色分け表示することができます。
計算で得られた結果はもちろんのこと、低分子/高分子の分子表面表示や結合部位/水素結合表示などの優れたViewer機能を備えています。Windows上で動作しますので、他分野の研究者と構造ベースでの情報共有を行なうなど様々な形で利用することができます。また、Webサーバーを介して、SYBYLモジュールと連結させることもできます。
解析対象としているタンパク質の立体構造が未知の場合に使用する方法です。本手法は、アミノ酸配列について相同性検索を実施し、相同性が高く、且つ立体構造が既知である構造を鋳型として構造未知のタンパク質構造を予測するものです。
1. 相同性検索
最先端のSequenceアラインメントアルゴリズム(FUGUE)を利用して解析対象のアミノ酸配列と相同性が高く、構造既知である化合物(相同タンパク質)を検索します。また、他の手法で得たアライメント結果を基に解析を行なう事もできます。
2. 構造保存領域の構築
相同性の高い立体構造の中には、全てにおいてほぼ共通した構造である構造保存領域(SCR)があります。これを自動検出して、モデル構造に利用します。
3. 構造可変領域の構築
Loop構造のように動きが大きい領域では、全ての構造で一致した構造を有していません。そのような構造可変領域(SVR)を自動検出します。SVRの構築法には多くの手法がありますが、ここでは、(1)データベース検索、(2)既知構造からの抽出、(3)計算による新規構築といった3つアプローチが用意されています。スコア情報などを基に選択・構築できます。
4. 側鎖の付加
構造既知の側鎖データを基に側鎖を付加します。このとき、相同タンパク質の側鎖をそのまま利用・付加する事も可能です。
5. モデルの評価
原子間衝突の確認、理想値からの結合長・二面角値(φ,ψ,χ)の比較、ペプチド結合の二面角(ω)の平面性などの観点からモデルを評価することができます。さらに、評価の際、特に重要な二面角φ-ψは、Ramachandran Plot図を作成して、既知構造から得られた理想値と比較・評価することができます。
Modelingを行う前に既存のドメイン、ファミリーなどを含むたんぱく質の構造や、PDBデータベースに登録されている内容を検索することが可能です。また、文献情報からの標的因子の検索や、疾患、化合物、組織、遺伝子との関連を把握するために利用できます。例えば、搭載されているシノニム辞書により、FDAの承認されている化合物名やPubChemおよびMeSHから取得した化合物名の文献リストを参照できます。たんぱく質情報では、各種公共データベースからアノテーションを纏め上げ、PDBデータやPubChemの構造データベースと連携できます。LSKBは、ChemicalとGenomicsの融合を目指す分野を強力にサポートする情報プロファイリングに最適なデータベースツールです。(LSKBは、弊社Webサーバへのアクセス権となります。)